JICA海外協力隊(青年海外協力隊)は、途上国にいって2年間活動を行います。その際使用する言語はその土地の言葉。つまり行く場所によっては英語以外の言語を使用する場合も。
実際にどのような言葉を話す必要があるのでしょう。また合格条件としてどのような語学力が求められるのでしょうか。この記事ではJICA海外協力隊に興味がある方向けに協力隊に参加する際の言語面について書きたいと思います。
現地で使用する言語は行く国、行く地域によって様々
海外と言っても必ずしも英語を使用するわけではなく、行く国や行く地域によって使用する言語は異なります。
現在JICA海外協力隊はアフリカ地域、中央アジア、東南アジア、太平洋州、中南米地域など様々なエリアの派遣が行われており、その土地で話される言語も英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、などの主要言語からその土地で主に話されている現地語まで様々です。そこで地域の人と一緒になって活動するJICA海外協力隊はその土地の言語を話す必要があります。
例えばアフリカ地域であれば英語やフランス語、ポルトガル語が公用語のことが多く、多くの人はどちらかの言語を学びます。また活動言語がこれらの言語であっても生活言語がその土地の現地語であることもあり、それは現地に行って学ぶ人もいます。
多くの中南米諸国はスペイン語を公用語としているので活動言語、訓練言語もスペイン語となります。しかし現地で違う言葉、例えばケチュア語を話す人と生活する場合、訓練ではスペイン語を学び現地に行ってからケチュア語を学ぶなどという風になります。
ちなみに私は派遣国ペルーでした。ペルーはスペイン語を公用語としていますが、多くの地域で現在もスペイン語ではない言語が話されています。しかし私が行く地域はみんなスペイン語を話す地域であるため、活動言語も生活言語もスペイン語を使用しています。
派遣前訓練にて活動言語を習得できる
JICA海外協力隊に長期で参加する場合、派遣前に訓練があり、そこで言語を学びます。
合格の際に渡される合格通知に、自分が現地で何語を使用するのかが書かれており、その言語を派遣前訓練では学びます。
派遣前訓練は全部で70日間あり(2019年10月現在)、その訓練の半分以上の時間が語学に割り当てられます。現地で使う言葉を一切話せなくてもその訓練でしっかり勉強することができます。
この語学訓練では基本的な表現やあいさつ、会話、大まかな文法などを学びます。最終語学試験に合格しなければ派遣が延期されたり、最悪の場合中止になることもあります。しかし基本的に派遣を前提として訓練をしており、テストも落とすための試験ではないので、派遣前訓練にて先生と仲間と一緒に勉強すれば問題なく合格できるレベルの試験と言えるでしょう。
派遣前訓練は70日しかないため、そこで初めての言語を身に付けるのはとても難しく、最終語学試験に問題なくクリアしても現地で通用する語学力かと言われるとなかなか厳しいところはあります。しかし多くの隊員がそうであるように、現地に行って活動していく中で少しずつ言語を習得していけばいいので言語面で不安になりすぎる必要はないでしょう。
応募時に求められる語学力
応募時は中学卒業レベルの英語力があれば問題ありません。具体的に表すと英検3級、TOEIC330点以上あれば語学力で不合格になることはありません。
また英語以外の言語でも応募することは可能で、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語の語学資格も認められることがあります。
詳しくはこちらのJICA海外協力隊のHPを参照ください。
自分の語学レベルに合わせた活動を選べる
実際JICA海外協力隊のHPでは、どんな国でどんな職種でどんな活動を行うのかという「要請」が出ておりそれを見ることができます。どんな町で、誰と、どんな活動を行い、どんな言葉を使用し、電気や水、通信状況はいかほどか、まで知ることができます。
そしてその要請には応募資格として求められる資格が書かれていることがあるのですが、語学についても書かれていることがあります。その場合、特定の言語である一定のレベルを達していると他の人よりも有利に働くことがあるそうです。
また、とあるアフリカの要請は英語とフランス語が話せると良いというのがあり、その人が英語をある程度話せる場合訓練言語がフランス語になります(話せない場合は英語になります)。
そのため何か言語が話せるのであればそれはそれだけいろんな選択肢がありますし、
もし何も話せなくても英語のレベルが英検3級、TOEIC330点以上あれば語学レベルとしては問題なく選考に応募できます。
沢山の要請があるので自分の語学レベルに合わせて探してみるのもいいかもしれません。
実際どんな要請が出ているかをみたい人はこちらの記事を参照してください!
【JICA海外協力隊】シゴトの探し方。自分に合った活動を探してみよう(工事中)
まとめ
- 行く国、地域によって使用する言語は異なり、必ずしも英語が話せる必要はない
- JICA海外協力隊の応募時に求められる英語力は英検3級、TOEIC330点レベル。もしそれ以外の言語が得意であれば言語と資格によっては認められる
- 現地での活動言語は派遣前訓練で習得することができる
- 現地で使用する言語は活動言語のほか、生活言語がある場合もある
- 自分の語学レベルに合わせて要請(活動内容)を選べる
派遣前訓練もあるので、応募時点で現地で使用する言葉が話せなくても大丈夫です。
いろんな要請があるので、自分が生きたい国、やりたい活動ができる要請はどんな言語を使うのか調べてみるのもいいですね!
この記事が言語面の不安要素を解消できていたら大変うれしいです。