青年海外協力隊

【青年海外協力隊】職種「コミュニティ開発」って何?応募や選考時についても紹介!

 

青年海外協力隊の職種「コミュニティ開発」。

青年海外協力隊には職種が120以上あり、看護師、デザイン、小学校教育、PCインストラクター、野菜栽培などたくさんの職種があります。

その中でも募集人数と応募人数が極端に多いコミュニティ開発という職種。

他の職種のひとからしたら何しているの?という質問が聞こえてきそうなくらい少し変わった職種です。その理由と私なりの職種への理解をこちらに整理したいと思います。

 

長くなったので2つに分けました。

こちらの記事で紹介できなかった「コミュニティ開発隊員に求められるスキルや成果について」の記事はこちらをご参照ください!

 

職種「コミュニティ開発」とは

 

青年海外協力隊の職種のひとつであるコミュニティ開発。

以前は「村落開発普及員」という名前だったそう。

 

日本になじみのある言葉で言うと、地域活性化とか地域おこしとかって感じでしょうか。

名前からわかるように、(他の職種である「小学校教育」や「看護師」、「柔道」)「コレをやるひと!」という職種ではないのです。

 

コミュニティ開発という職種は特定の資格はもとめられないし、要請によっては社会人経験なども問われないことが多く、他の職種と比較して少し変わった立場をとっています。

同じ職種にもかかわらず、派遣先からの要請も

土木系、農業系、生計向上系、観光系、インフラ系、環境系など地域の課題によって様々

 

私の要請(←下記をご参照!)も観光4割の農業2割の生活向上2割の環境2割といったところでしょうか。

知識や経験の「深さ」よりも「幅」が求められてしまいますね、、。

 

JICAボランティアの職種紹介ページにはこんな形で解説がされています。

「コミュニティ開発」隊員とは?
コミュニティ開発は、地域住民が望む生活向上や地域活性化への寄与を目的としています。フィールドワークや住民参加型のワークショップを企画・運営し、地域や住民の状況、ニーズ、課題を把握することが出発点となります。住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動します
活動分野は、農業普及、保健医療、水・衛生、地場産業振興、村落開発事業など、地域の開発課題に合わせて多岐にわたっています。

―JICAボランティア職種紹介ページより

 

ちょこっとメモ:「要請」について

青年海外協力隊には様々な職種があるのです。みんながみんなアフリカで井戸を掘ったりフィリピンで学校を作っているわけではありません。

またその職種の中には様々な要請があり、要請に応じて海外の現地社会が必要としている人が現地社会が必要としている活動を行います。

流れで言うと、現地の社会がこういう活動をしたいからこういう人が欲しいなあとなり、「要請」として協力隊の選考前に募集がかけられるという感じですね。

 

 

これは私の理解ですが、おそらくコミュニティ開発という職種は人ぞれぞれに解釈と説明の仕方があって、「コレ!」というのはなさそう。

他のコミュニティ開発要員にコミュニティ開発ってどんな職種?って聞いたらまた違った答えが返ってくるかもしれません。

 

他の職種をあまり知らないので、協力隊に共通する部分とコミュニティ開発隊員に共通する部分とおそらくごっちゃになって理解しちゃっているかもしれません。

でも青年海外協力隊と一言で言っても職種は様々あり、隊員によって、職種や要請それぞれで合う合わないがあるんだろうなと、そんな風に思います。

 

人気の理由

 

まず一つ目に「特定の資格、経験を求められないから」と言えるでしょう。

ある意味ハードルは低いです。なぜなら看護師としての実務経験2年とか、スポーツの教育経験3年とか、管理栄養士の資格とか、そういったものはコミュニティ開発のほとんどの要請で求められないからです。

私はその分他の部分でのスキルが求められると思うのですが(詳細はこちらの記事)、でもやはり肩書をもっていなくても応募できるので応募が集まりやすいでしょう!

正直私もコミュニティ開発でなければ青年海外協力隊になれなかったかもです。農業系の研究もしてきていないし、観光の実務経験もほとんどないし、看護師の資格だって持っていません。

 

実務経験や特定の資格を持っていなくても活動できる職種がある点、青年海外協力隊は、他の国際協力機関よりも、国際協力初心者にとってはチャレンジしやすいといえます。

 

もう一つは、「自由度合いが高いから」。

これはどのくらいの人が感じて志望しているかわかりませんが、他の職種に比べて割と幅広くいろいろなことができます。

反対に言えば、全然その道に詳しくなくても、得意分野でなくても、現地が求めていることであれば適応してやっていく必要があるということです。

 

地域の課題を一緒になって解決していけるよう考える必要があるので、

先生をやったことなくても教育の現場を調査したり、

宗教に入っていなくても教会に通ったり、

ローカルNGOと一緒に専門的なプロジェクトをやっていても自分は更なる社会的弱者の話を聞きに行く必要があるかもしれません。

 

経験がなくても、知識がなくても、今までの人脈と知識と経験とスキルを総動員させて地域社会の課題解決に向けて尽力する必要があります。

例えばあなたが元教師でも求められていなければ教育現場での活動はできないですし、反対に農業関係者と一緒にプロジェクトをやる必要があれば畑に入って考えないといけないということですね。

 

応募時の要請の選択についてと選考について

 

コミュニティ開発は、職種の名前だけではなにをやるのかよくわかりません。

先ほども述べたように、土木系、農業系、生計向上系、観光系、インフラ系、環境系など様々あるのです。

応募時の要請の選択

 

応募時、職種は一つしか選べないので「コミュニティ開発」を選びます。

でもその中での要請の幅は広いので、自分は農業系がいい!となれば農業系の職種、環境系がいい!となれば環境系の職種を選択すれば◎

 

そして要請に国も紐づいているので例えばアフリカで農業かなあと思えば、

ウガンダのネリカ米普及隊員、ルワンダのコーヒーの品質向上など好きな要請を選択すればOK。

 

もしくはコミュニティ開発であれば要請の内容はそこまでこだわらないけれどもどうしても中南米がいい!と思えば、

ドミニカ共和国の生計向上、ペルーの農業観光資源化など好きな要請を選択すればOK。

 

これらは第1希望から第3希望まで選べます

※もちろん2次の面接時に第1から第3希望までの簡単な志望動機とか関連性とかは求められます!第1から第3までで活動内容も国もエリアも言語もバラバラだとあれ、どうしてこれ3つ選んだの?ってなりますしね。

 

選考時(応募書類と面接)

 

応募時の書類は1次の書類選考となります。

応募時に第1志望から第3志望まで要請を選ぶと思うのですが、コミュニティ開発隊員としてもしくはその要請の隊員としてその人の経験値、知識、技術力は足りるかをまず見られます。

 

そして1次選考に合格すると次は2次選考。

2次選考は健康診断と2種類の面接です。

2種類の面接とは、人物面接技術面接があります。

 

この人物面接というのは青年海外協力隊になるにふさわしいかの「人物」を見られます。そのため全ての職種で同様の面接が行われます。

 

一方、技術面接というのはその職種になるにふさわしいかの「技術力」を見られます。そのためそれぞれの職種で面接の内容が大きく異なります。

美術隊員だったらなんか作って持ってきて、みたいになっていたり、

看護隊員だったら特定の知識や経験を面接の場で問われたり。

他の職種の面接の詳細は分からないですが、たぶんそんな感じ。(笑)

そしてコミュニティ開発は面接時にこれ作って持ってきてとか、一問一答的なのはほとんどないと思うのですが、(なので面接官もどこを実際見ているのかわからないのですが、)その人のこれまでの経験値から知識から考え方から希望から適性から、たぶんなんかいろんなところを技術としてみなして面接してくれます。

 

そのため、社会人経験がなくても、もしくは実務経験がなくても、もしくは特定の資格を持っていなくても、

生まれてから今日までの経験や知識や技術力が問われるということです。(面接官じゃないのでわからないですが、たぶん)

 

実際に私も、いろいろなことを応募書類に書き留めていましたが、聞かれたのは

  • 大学生のときの観光人類学の経験
  • 社会人の際の周りとの接し方など
  • 要請に対し自分はどのようにアプローチをかけるか

まあそんなようなことを聞かれて自分の経験に基づいてこういう経験をしたしこういう知識を付けたから自分ができるのはこういうアプローチだと思うしこういうやり方で現地で活動したい!みたいに言った気がします。

 

面接のときに様々聞かれたのち、最終的にコミュニティ開発のどの要請になるのかが決まるのですが、

このとき、もし第3希望までに入らなかった場合、あなたにふさわしいとされる要請が割り当てられて合格となる場合があります。そのときに、コミュニティ開発という性質上、すこし希望とはずれた要請になる可能性もあります。

 

例えばコミュニティ開発の農業系の隊員が良かったのに全然畑の異なるインフラ系の要請になっちゃった!とか。(例えばサッカーの先生とか教員とかだったら、国は違っても要請の内容にそこまで大きな差はでないかもですが、コミュニティ開発はそういう意味ではかなり幅があるのです)

そういう意味でも要請の選び方や面接でしっかり自分の希望を伝えることが重要になってきそうですね。

 

本記事のまとめ・コミュ開解説その2のご案内

 

と、いうことでコミュニティ開発は要請の中身も選考においても、やっぱりちょっと特殊なのかなあと思います。

本記事のまとめ
  • コミュニティ開発は、特定の資格が求められない&地域社会の課題解決のために活動する
  • 活動分野は地域の開発課題に合わせるため多岐にわたる
  • 「特定の資格・経験が求められない」ため人気
  • 他の職種と同じ流れで選考があるが、要請の幅が広いため、応募から選考まで自分の関心分野などのアピールはしておいたほうが◎

 

そんなコミュニティ開発隊員として何が求められていると思うのか、

自分の分析に基づいて求められているスキルとか成果とか、コミュニティ開発隊員としてどんなことができるのかなあという点について次の記事ではまとめています。