新型コロナウイルスで世界的に移動が制限され、国際協力業界も大きな打撃を受けました。
世界中で活動をしていたJICA海外協力隊約1800名は緊急一時帰国。私もペルーから一時帰国となりました。
計画していた活動はすべてストップ、もしくはふりだし。でも日本に居ながらにしてもペルーの人のために何かできることはないかと考えたのが、このオンラインでつながる健康になろう!プロジェクトでした。
この記事では、健康になろう!プロジェクトの簡単な説明とその活動報告をさせていただきます。
Ser Saludable(健康になろう!)プロジェクトの趣旨
このプロジェクトは、オンラインでつながり、体を動かすことの楽しさを共有したり、実際にどんな健康維持方法があるのか、具体的に参加しながら体感します。
主に子供を対象とし、ラジオ体操から始めダンスを学んだり手を洗うことをなるべく意識づけてもらったりします。
週に一度zoomを使用してペルーや日本でつながります。FacebookやペルーJICAペルー事務所のページで広報をして参加者を募ります。
30分の主な内容は以下の通り。
健康になろう!(Ser Saludable)プロジェクト
- プロジェクトの趣旨説明
- 4人のメンバー紹介
- ラジオ体操第一(スペイン語ver.)
- (健康を維持するためのプログラム)
- 感想交換と次回の案内
④の内容は、その時に応じて決めます。
第一弾はパプリカという音楽を使って振り付けをして体を動かす楽しさを共有したり自宅待機期間の気分転換につなげてもらいました。→パプリカの音楽動画はこちら
第二弾は現在検討中。身体を動かしたり、手を洗う習慣のない人も多いのでその普及活動として次のコンテンツを考えています。
スマホの普及 × 踊り大好きペルー人
このプロジェクトはJICAペルー事務所のスタッフさんと、民間企業にお勤めのペルー大好きな仲間2人と計4人で始めました。それぞれの得意分野を生かしてアイデアを出したり進行したり…
ペルーに一年いた私からすると、多くの人がスマートフォンを持っていてオンラインで家族や友人とチャットをすることを習慣としていました。
ペルーではCOVID19の流行後、学校もすべてオンラインになりましたが、その際使用されるのがzoomということで、このzoomアプリケーションに対しての認知度も高いというのも一つのきっかけ。
全ての活動がストップして、私もペルーから帰ってきたばかり、今後のことは全然考えられないような状況で、その中でも何か役に立てることがあったらと思い、始めてみました。
その中で思いついたのは東京オリンピックの応援ソングでもあった米津玄師さんのパプリカ。ダンスもついていてかわいいんですよね。ペルーは踊るの好きな国なので子供たちも楽しく体を動かしてくれるのではないかと考えました。
パプリカ編は全5回で終了しましたが、次はもうすこしメッセージ性のあるプログラムを検討中です。
日時と実施時間・参加者
時間は日本の日曜日朝8時から30分間。日曜日朝からオンラインでつなぐのは、正直厳しいですが笑、ペルーが日本との時差14時間ということでペルーに合わせました。
ペルーは土曜日の夕方6時。人が集まりやすく参加しやすい時間を設定。
日本時間で5月10日から毎週30分間。
無料アカウントのzoomを使用するため、30分程度で組まないといけないのでした。(でもメリハリがつくから30分くらいでパパっとやるのは結構良き。)
参加者は毎度20~40名ほど。私の任地の友人やペルーのJICA、大使館関係者の子供たち、日本に一時帰国しているペルーと縁がある家族などが参加してくれました。
いろんな世界の友達の顔を見ることで、少しでも気分転換になったらうれしい。
オンラインでできる国際協力の形
これを最初に始めようとなった時、オンラインでできる国際協力の可能性をちょっと感じました。遠くに居ながらにしても国際協力ができるなら、もっと現地の人々とのコミュニケーションが身近になるのではないかと。
実際にやってみて、いろいろ課題はあるなと思います。そもそも通信環境が整っていなかったり、zoomにも限界はいろいろありますし、コンテンツも参加者に沿った内容をもっと深めたいとも思いました。そしてやはり距離があるなと。
一方で、オンラインでもできることっていろいろあるなという感想も、実際にやってみてもちました。
また、現地の人が自分のことを身近に感じてくれている状況というのはプラスに働くので、全く見知らぬ土地に向かって知り合いゼロで何かやるよりは、すでに少し信頼関係が築けた人を対象に付加的に何かできると相乗効果は生まれやすいのではないかと思います。
もちろん現地に行って現地の人、気候、習慣、文化、歴史などを肌で感じるのが私は何よりも大切だと思っていますが、
それが難しい人やそれが難しい状況であっても、現地と関わり続けることが実際にできるのかどうか、その際のオンラインの可能性。
グローバル化が進む中で変わっていく環境もあると思うのですが、国際協力の形も変化していくと思います。
オンラインはその際どんな役目を果たすのか、それは今後も模索していきたいなと思います。