2019年4月から青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として任期2年でペルーに派遣されています。
この記事では任地着任の1か月の活動記録を整理しようと思います。
参考までに私の要請内容です。
地域の生活諸相を調査し、町役場職員とともに、主に以下のような活動が期待されている。
- レモンとマンゴー農園の生産者グループの活動調査と把握
- 農業を観光資源化するための、様々なアイデアの提供と実施
- 資源ごみの分別回収推進のための啓発活動の実施
補足すると、この要請内容はあくまで要請があった時点のもので、今から2年以上前にでたものです。要請内容は参考にして活動は行うものの、住民のニーズを聞き取るところからはじまるコミュニティ開発隊員としてはやはり地域のニーズをしっかり知ったうえで求められる活動を行おうと思います。
この記事は活動面に重点を置きましたが、海外生活を含めた1か月目の振り返り記事はこちらです☟
1日のスケジュール
平日の1日のスケジュールです。
7:00 起床(朝活をするときは6時)
7:35 家を出る(役場近くで朝ごはんを買う)
7:50 役場に到着。朝ごはんを食べる
8:00~13:00 仕事開始(畑に行ったり会議に参加したり町のことについて聞き取りをしたり)
13:00~13:40 お昼(近くのレストランで食事)
13:40~16:00 仕事再開(上記に同じ)
16:00 帰宅(フィールドワークをしながら帰る日もあり)
16:30 シャワーからのブログからのスペイン語勉強など
19:00 ホストファミリーと夜ごはん
20:30 家族の夜の集い
22:00 本を読んだりとか、ゆっくりしたり
23:00 就寝
やったこと(生活面・活動面含めて)
生活面、活動面を含めてこの1か月でやったこと(片足突っ込んだことも含めて)です。
生活面
- 家族と一緒の時間をつくる
- ブログやnote、Twitterを使った情報の整理、発信、記録
- スペイン語の単語勉強
- スペイン語での動画視聴
- ペルーのスイーツを巡る旅の開始
- 「奇跡のリンゴ」読破
- 友達できた✨
- よく寝てよく食べた
- なるべくマイペースに過ごした
- Instagramと距離を置いた
活動面
- 畑や植林地の訪問
- 仕事後の町中フィールドワーク(中心地の生活様相の調査)
- 各課(経済開発課、環境保全課、商業観光課、地域農業開発課)の活動内容の把握と一部の課長の同行
- 自分の要請の分析
- Taller(ワークショップ的なやつ)、会議の参加
- ペルーの労働形態について一部学ぶ
- マンゴーの商業化についての考えを整理して同僚に確認
- 1年のざっくりなスケジュールやTODOを簡単に書く
- タンボグランデのざっくりな金銭感覚の把握
- ペルーのマンゴーやタンボグランデの輸出の初歩的なところを把握
- 市役所の機能を一部把握
- タンボグランデに「あるもの」「ないもの」の整理を少し
- 商業観光課のやりたいことや私に求めるものの聞き取り
- 私なりのタンボグランデのコミュニティ開発のアイデアの書き下ろし
わかったことの一部(生活面・活動面含めて)
生活面、活動面を含めてこの1か月でわかったことをざっくりと。
全体的にわかったこと
- この町の金銭感覚
- 主要な産業と労働のかたち
- 働き手が多いこと
- 意外にみんな真面目
- エルニーニョの話、ごみのこと
- 私の要請の背景の一部
- 町の中心地の半分を歩いて知れた
- 役場には全然お金がないということ→つまり私の関わる活動も基本お金なしで行うということ
- 任地はとてもポテンシャルがあるということ
- 同時にそのポテンシャルを活かすにはたくさんの壁があること
- 任地の人は自分の町がみんな好きだということ
- 交通事情(モトタクシーが住民の足、ロバや馬で牽く台車も)
- 金銭のやり取りが基本
- 小さい町に見えてめちゃくちゃ広大な面積と多くの住民がいること
- 衛生状態はよくないこと
農業面
輸出業がとても盛ん。みんな自分のマンゴーの輸出促進が第一のテーマであってとても関心のある分野だとわかった。町での消費よりも収益の高い輸出促進へ、の方向性。
農業従事者が町の70%以上を占めると思う。ただタンボグランデの農地の多くは海外や他の都市の人が地主になっている。タンボグランデ自体は多くの生産や輸出をしているとは言え、多くは従業員として各労働者に支払われるお金のみで、タンボグランデの町にはお金が入らない。そのため投資もできず新しい事業も始められず役場にはお金がない。
観光面
観光客はなかなか少ない。それには交通事情の問題、衛生環境、観光資源や広報(知名度)の不足、ブランディング構想がないなどの理由がある様子。
ピウラにいる人を呼び込むためのツアーや修学旅行、マンゴーやレモンなどの加工品の創作などを提案するも加工所もないしツアーをやるためのお金もないとのこと。お金を使わずに観光面で強化できる施策が必要そう。
たとえば観光マップの作成、観光客が観光資源にアクセスできるような案内所、案内板などの作成、観光地の保全や清掃、お金がなくてもできるような活動を考えて提案していく形になると思う。いくつかアイデアはあるのでタイミングを見て話してみようと思う。
環境面
とても気になるのがこの環境面。ごみの放置、分別がないこと、ごみ処理場がないこと、住民に環境への意識がないこと、たくさんの問題が挙げられる。
前任の方も環境教育に力を入れていてとても重要な取り組みだと感じる。一方で、住民の意識は農業の収入向上や生活の質向上に向かっている感があり環境が最優先という感じでもないだろう。
ただ町を歩くとやはり見て見ぬ振りができないほどの町の汚さ。地球全体のために環境教育をするという視点もだが、町自体観光を推し進めるのであればこのようなごみ問題も放置するわけにはいかない。町のことを思うがゆえに、必要な環境面での開発だと感じる。
ピウラ県にも多くの環境教育隊員がいるのが納得。大きな問題を前にどのように活動にとりいれるのか、取り入れるとして、私には環境についての知識や経験がほぼないのでどのように学び伝えていくのか、今後の課題となる。
意識していたこと
任地の最初の1か月を過ごすにあたって意識していたことです。
- よく寝てよく食べること
- 生活に慣れること
- スペイン語にめげないこと
- フィールドワークや畑に訪問して任地を知れるだけ知ること
- ストレスが溜まりそうだったらすぐ対処すること
- Instagramと距離を置いて現地に浸かってみること
- Twitter、ブログ、noteを今後の運用を考えながら使用してみること
- 焦らずにマイペースに過ごすこと
出来事
この1か月で起きた「書き留めるレベル」の出来事です。
- 断水(でもホストファミリーが水を買ったので家での水の使用は1日だけ制限。市役所は3日ほど断水していてトイレが使えず、しぬかとおもいました。笑)
- 3週間続くおなかの不調(おそらく原因の40%がタンボグランデの水。20%がご飯を食べるレストランの衛生環境。20%が活動によるストレス。20%が住環境によるストレス。)
- 5月26日未明のセルバでマグニチュード8.0を記録するペルー北部地震。
- 組織のお金で機械を買ってほしいと言われて断ったこと
感想
簡単な感想を、、笑
活動については正直何から始めていいのかわからず呆然としています。同僚や上司は基本的に何かを伝えて行動するわけではないのでみんながどこで何をしているかさえもわからないスタートでした。
今でも気が付けばみんなそそくさとどこかに出かけてしまい、そのスピードについていくことができず、、。ようやくみんなの活動パターンが見えてきたので今後は彼らの後ろについていきたいです。
それであっても、環境、観光、農業と大きいテーマ。それだけで開発がされうるテーマを組み合わせた要請内容とのことで、この町の人たちに、いかにこの2年のうちに自分という人間を最大限利用してもらえるのか。どのように種をまけばこれらの課題を少しでも解決できる未来を描けるのか。
テーマが大きすぎて途方にくれたりすることもたびたびですが、ここの人たちと少しずつきれいな未来が創造できるような活動をしようと思います。