北海道の牧場に、2012年の9月に2週間インターンでお世話になりました。
今回はその体験記を書きます!
そもそも、インターンシップって何?
インターンシップとは、一定期間企業などで働く「職業体験」のことを指します。
無給のところも多いですが、有給のところもあります。
就労による報酬目当てというよりは、就労によるスキル向上、学びの場とすることが目的の方が多いように思います。
現に私も農業への興味があり、インターンを通じて自分に合うのか合わないのかを判断することができました。
実際に就労してから相性の不一致に気づくよりはインターンという形でも参加してみて自分はどういう仕事が合っているのかを考えてみるのがいいと思います!
北海道の牧場インターンに参加しようと思った理由
自分が食べているものが生まれるその瞬間をみたい!という思いから農家さんでのインターンシップをやりたいと考えました。
当時私は大学2年生で夏休みに時間はあるけどお金はないし、将来どんな仕事をやりたいかもわからない。
ただ、食べることが好きでみかん農家やぶどう農家はあこがれるなあと思っていたので、
それなら実際に仕事を体験できるインターンシップに参加してみよう、という考えに至りました。
北海道の牧場インターンに参加する方法
インターネットの検索で「農業 インターンシップ」と検索。
「全国新規就農相談センター」のHPが出てきて、
興味のある分野や興味のあるエリアを中心に、参加したいインターンシップ先を選びました。
ほかのサイトでも農業のインターンシップは参加できると思いますが、私はこちらを利用しました。
このサイトを利用して申し込みをした後は、直接農家さんから連絡がありました。
詳細な日程、持ち物の確認と連絡先の交換をして当日に備えました。
インターン先は興味あるなと思うところを選ぶのが吉です!
例えば、私の場合は、とっても北海道を愛してやまない時期だったので、
大好きなフルーツの農園がある熊本の農家さんも行きたかったのですが、やっぱり北海道で決めました(大好きな北海道での仕事はとても楽しかったです。)
農家のお仕事はとてもハードです。
自分が楽しそうだな、わくわくするなあと思えるようなインターンシップ先を選びましょう!
お金や生活は、どうするの?
私が参加したインターンシップは交通費など、すべて自費でした。インターンシップなので給料もでません。
しかしながら現地での生活費(住居費と食費)は、住み込みになりますので負担は一切かかりませんでした。
つまり、かかった費用としては家から羽田空港までの交通費(往復1,000円くらい)と
北海道までの飛行機代(往復30,000円くらい)です。
北海道の空港からは牧場でお世話になるご家族が迎えに来てくれました。
現地での生活
①スケジュールなど
・到着初日はご挨拶
・2日目から2週間、朝4時か5時から夜8時までインターン活動
朝4時(5時)起床:仕事の種類によって起床時間は異なりますがやはり牧場の朝は早かったです。牧場で住み込みをしていたので起きて2分で勤務という形でした。朝は早いのですが、勤務地は住み込み先のすぐ目の前でお化粧もしていなかったのでぎりぎりまで寝れました。笑
4時から8時:牧場内の掃除、エサやり、搾乳、出産が始まったらその立ち合い
8時から10時:朝ごはんタイム(昼寝)
10時から15時:牧場内の掃除、エサやり、子牛のお世話
15時から17時:休憩・おやつタイム(夕寝)
17時から20時:牧場内の掃除、エサやり、子牛のお世話など
20時から23時:ご飯を食べてお風呂、団らんと就寝。
・週2回の休みの日は住み込み先のお父さんに北海道案内をしてもらいました
② 1週間の流れ
私がお世話になったインターン先は大きい牧場で牛の数もたくさんだったので、
搾乳をやる日、出産前の母牛のお世話をする日、生まれた子牛のお世話をする日、牧草の管理をする日など、
いろいろな仕事に分けて体験させてもらいました。
全部で10日ほどあったので3日ずつ牛小屋を移動して体験しました。
参加して感じたこと・考えたこと
いまの私には、できない、かも?
これが一番の収穫でした。
インターンシップなので向き不向きなどを知れたことは大切だと思います。
農業はきれいごとではできないと思うので。
思えば将来は農業もいいなあと思っていた大学生時代でしたが、実際にやってみてその大変さや農家の方の苦労を少しの体験でも感じました。
できないと感じた一番の理由は、生き物を相手にすることの大変さ。
牧場でいえば、出産があったり、病気になったり、食事、排せつ、牛の心地よい環境づくりなど、24時間手が抜けません。
植物などを育てる農家さんも気候などに悩まされたり適度な温度や湿度管理、日照や水やりなどあると思います。
私はすごく気分屋で、いいな!と思うことがあったら今日にでも海外でも世界の裏でも行きたいと思う質なので自分には向かないと思いました。
一方、すごく毎日すごく勉強になる楽しい時間を過ごしました。
最近は兼業農家さんも多いみたいですが、例えば一つの農地を数人で管理したり機械を取り入れたりなど、兼業という形で週に何回かでできるような体系の就農だったらやってみたいなあという感じです(甘いですかね!?)。
農家さんて、すごい!
自分にはできないとおもうと同時に感じたのはこの感情です。
本当にすごいんです農家さん。
朝早くて、夜もまあまあ遅くて。
生き物相手だから想像しえないことも起こったりするかのしれなくて。
それでもそれを仕事としてやられていて、本当にすごいと思いましたし、同時に感謝の気持ちが強く湧きました。
やりがい
生き物と生活することはとても大変なことですが、それと同時にとてもやりがいがありました。
農家の方の「家族みたいなものだよね」という言葉も印象的です。
誰でもできる経験ではないと思うのですが、母牛の出産にも立ち会うことができました。
子牛が生まれる瞬間は本当に感動もので、そのあとの子牛のお世話もさせてもらいましたが、
生まれる瞬間に立ち会った子牛がミルクをたくさん飲んで一人で立って歩いて、ほかの子牛と走り回ったりするのをみて、本当に感動しました。
すごくやりがいのある仕事だなと強く感じました。
食べ物をもっと大切にしよう
初めて自分が普段食べているものが生産される場に立ち会って、それは感動以外のなにものでもありませんでした。
東京生まれで親戚にも農家がいない私の人生では今までほとんどそういう機会がなかったのです。
ものが生産されてから私の口に入るまでにはたくさんの過程を経ます。
いろんな経過をたどるうちにそのうち感謝の気持ちも薄れてしまいがちですが、
その生産の場をみて改めて「いただきます」と心から思いました。
私たちの口に入るものは必ず誰かが作っていて、
たくさんの人がかかわって初めて私たちが口にしていること考えると、
もっと食へのひと時を大切にしようという気になりました。
農家さんがもっと働きやすい環境になればいいのに。
私が体験した時、TPPの問題がありました。
アメリカの安い農作物が入ってきたら農家さんへの影響は少なからずあります。
それに対しての不安感を、農家が多い町だからこそ、町全体から感じました。
TPPにより喜ぶ人がいても悲しむ人がでてしまうのはとても不本意だし、
みんなが納得する形になってほしいなと19歳ながら思っていました。
また、農家さんが働く環境も、もっと良いものになればいいのにと思いました。
農家さんが旅行に行ったり、どうしても外さないといけない場合、
組織化されていてたくさんの従業員がいるところであればシフト制で対応できるのですが、
一家でやられているところはどうしようもありません。
そのため、そういうときのヘルパーさんという存在がいることを知りました。
不在にされる農家さんの代わりに対応する方だそうで、
相互でWin-Winな形がとられていることにとても関心を持ちました。
完全なる組織化は難しくても、そういうような相互フォローができることは素晴らしいと感じています。
そのため、そういう形が今後も維持されてまたもっとやりやすい形でできるように、環境が整えばいいなと思います。
最後は機械化。
アメリカの大規模農家は機械化で安く抑えられていると聞きます。
インターンに行って日本の農家さんも機械化は進んでいるように感じましたが、
もしそれで負担が軽減されるのであればぜひ機械化が進むといいなと思いました。
そのためにはたくさんの投資が必要なのですが、金銭的な事情も勘案すると、日本の第1次産業の衰退を防ぐのには社会的にそういう援助が必要だと感じました。
まとめ
たった2週間の体験でしたが19歳という多感な時期というのもあり、
ずーっと忘れないだろうなという実感が6年たった今でもまだあります。
この時期に貴重な体験ができて本当に良かったと思っています。
何も経験のない私を2週間も受け入れてくれた北海道の農家さんには今もとても感謝をしています。
今でも年に数回連絡を取り合っています。
皆さんも興味をもったらこのインターンに限らず好きなことをやってみましょう。
最後にひとこと
みんな、迷ったらレッツトライ♪です!