カナダの先住民ファースト・ネーションズ。私は彼らの生活に惚れて2014年の9月に彼らを訪れる旅をしてきました。
これは日記ベースの旅のしるしです。20日間の記録を、ぜひ。
ビクトリアでの日々
初日。
日本から出発して直行便でカナダ、バンクーバー空港に到着。
到着してすぐ、大都市バンクーバーを見ることなくフェリーに乗り込んだ。
目指す場所はファースト・ネーションズが今でも多く暮らす場所、バンクーバー島である。
最初に訪れたのは、バンクーバー島で最も有名な都市ビクトリア。
イギリス統治下の雰囲気の残る、人は多いが落ち着いた雰囲気のある街。
いくつかのカフェといくつかの宿、そして車の走る大きい道にたくさんのフードショップ。
栄えているけれど騒がしくない、ビクトリアはそんな町だった。
中心地から近くのユースホステルで約3泊。
英語はとっても苦手。
今後の旅が英語力足りないと難しそうだなあと思い、宿では積極的に声をかけてみた。
ビクトリアでは、ずっと行きたかった「Royal BC Museum」へ。
カナダ先住民に関する展示がたくさんのRoyal BC Museum。
すてきだなあと思いながら街にあるほかのカナダ先住民に関する場所も訪問。
ビクトリアはバンクーバー島の玄関口。
たくさんの人が集まり、交流のある町で、情報収集をしようと町中をぷらぷらと歩いた。
町の中には先住民アートや先住民の作品が売られているショップも。
今は非先住民がたくさん住むビクトリアだが、ファーストネーションズの存在がとても表れていたのが印象的だった。
次の目的地はダンカンと決めたころには3日経ってた。
今でもカナダの先住民の住む町ダンカン。
次の日チェックアウトをしてダンカン行きのバスチケットを購入。
Greyhoundのバスで、ビクトリアから1時間のダンカンに移動した。
ダンカンでの日々
ビクトリアからバスで1時間のところにダンカンはある。
先住民の居住地がすぐ近くにあるダンカンは、昔多くの先住民が住んでいたそうだ。
ダンカンでの目的は3つ。
1、たくさんのトーテムポールを見に行く
2、先住民居住地の近くに行って雰囲気を見てみる
3、カウチン文化センターへ行く
ビクトリア発のバスは朝にダンカンに到着。
まずはトーテムツアーをやってみた。
ダンカンにはトーテムツアーと言って、足跡を追えばダンカンの町にあるトーテムポールを周れる印が付いている。
バス乗り場からダウンタウン(中心地)に移動するとすぐトーテムツアーを発見。
かっこいいなあと思いながら様々なトーテムに魅了され、それぞれフェイスの異なるトーテムを追った。
そのダウンタウンの近くには先住民居住地があった。行ってみると居住区であることがわかるような壁や柵がある。
少し近づいてみたが、どうやら非先住民が入ったりすることは難しそうなようだ。
次は先住民居住区から離れてカウチン文化センターへ。
「カウチン」とはそう、あの「カウチンセーター」のカウチン。
カウチンセーターが流行って「カウチン」が独り歩きしている感はあるが、もともとは先住民ファースト・ネーションズのカウチン族が来ていた衣服のことである。
カウチン文化センターの正式名称は
「Quw’utsun’ Cultural and Conference Centre」
カナダのブリティッシュ・コロンビア州観光局によると下記の説明があった。
コースト・セーリッシュ族の人々が自らの伝統を広く世界に発信し、次世代へ伝承していくために運営している文化センター。
カウチン文化センターへに行くとそこにもいくつかのトーテムポール。
リバーサイドカフェでコーヒーを飲みながら、近くで釣りをする人を眺めていた。
彼も先住民の血を引き継いだりしているんだろうか、いや、していないのだろうか、、、。
カウチン文化センターでは先住民の過去についての映像も見れた。
しかしながら日本を離れてまだ5日、英語がわからず雰囲気でつかんだ気がする。
お土産売り場も、そして文化を継承するために人が集まれるような建物もあった。
小さな町ダンカン。1,2時間ほどでぐるりと回れたのでその日中にトフィーノへ移動することにした。
ダンカンからトフィーノへは約5時間。
バスを降りた場所へもう一度向かい、Greyhoundのバスでトフィーノへ。
トフィーノでの日々
トフィーノでは5日間滞在。
ついてすぐ予約していたゲストハウスへ向かいました。
トフィーノは小さな港町。
自然が多くて海に囲まれているため全カナダや世界中から旅人がやってきます。
彼らの目当てはサーフィンなどのマリンスポーツ。
夏は本当に大盛り上がりのようで、無料のシャトルバスなどもでているそう(私の行った時期9月下旬は終了していたが、、)。
そしてトフィーノも先住民ファースト・ネーションズが昔から住んでいた町。
先住民ファースト・ネーションズとひとことで言っても
トフィーノでは先住民のスポットを訪問するのと同時に、先住民関連の情報収集に。
町の中心のレジャーセンターにはいくつかのレジャーマップがあり、その中に先住民の女性がやっているヌートカのツアーを発見。すぐに予約しました。
絶対に参加したい、参加せずしてここは去れないと、待ちわびた次の日は雨。また翌日を予約しましたが、翌日も雨。そしてその次の日も雨。
先住民の文化を紹介するツアーなのでヌートカの伝統的なカヌーに乗って近くの島に行くツアーでした。天候が大きく影響するとのこと。先の町に約束があり、翌々日に出発が決まっていたので、どうしても翌日晴れにする必要がありました。
その日の晩、ゲストハウスのロビーの海辺側に願いを込めててるてる坊主を作ってつるし、晴れることを祈りました。
そして翌日はなんと晴れ!ずっと待ち望んでいた太陽のもと、カヌーのツアーは始まりました。ヌートカの女性はとても陽気でいい人で、私の質問にもたくさん答えてくれました。
隣の島にカヌーで移動して、島の中の先住民伝統の植物を教えてもらいながら、ガイドさんのヌートカ伝統の歌を聴きながらツアーは終了。とっても素敵な半日でした。
翌日、トフィーノからポートハーディにGreyhoundのバスで移動。早朝に出発して到着するのは夜でした。
ポートハーディでの日々
ポートハーディでは翌日からクワクワカワクゥの先住民の方にアポイントメントを取っていてそのツアーに参加。
ツアーではアラートベイへ行き、ビッグハウスやウミスタ博物館に訪問。世界一背の高いトーテムポールもありました。寄宿学校も訪問し、先住民の歴史を知りました。
アラートベイは現在も先住民居住地があり、昔からクワクワカワクゥの住むエリア。雰囲気もそのほかに訪れた街とは全然違いました。
とっても魅力的な街アラートベイでは先住民の家族のご厚意でポトラッチにも参加させてもらうことに。
ポトラッチは、先住民ファースト・ネーションズの伝統的なお祭り、儀礼です。昔に弾圧があり、現在ではそういった活動が減ってしまいましたが、私が行ったときはたまたま結婚式があり、見学させてもらうことになりました。
先住民の家族にあいさつ代わりにハグをされて、こんなにも安心感のあるハグが存在するんだと感動。常に儀礼の間、見るものすべてが私にとっては感動でした。
長時間にわたるポトラッチを見学して、私はポートハーディを去りました。
ナナイモでの日々
次に到着したのはナナイモ。先住民の関連のところは少なかったけれど、私がどうしても行きたかった場所でした。
港町のナナイモはとっても静かな町で、私は近くにあるニューキャッスル島とガブリオラ島にいきました。
ニューキャッスル島はナナイモからフェリーですぐです。カナダ人の老夫婦に出会い、彼らの旅の話を聞きました。彼らはポートハーディのさらに北にあるクイーンシャーロット島をもおすすめしてくれました。
私ももっと時間とお金があったらクイーンシャーロット島にも行きたいなあと胸を膨らませながら、ニューキャッスル島を散策。自然がたくさんのニューキャッスル島には人は全然いなくて、みんなナナイモからその日にやってくるとのこと。
最終のフェリーまでゆっくりしてナナイモのホステルへ帰りました。
またガブリオラ島はニューキャッスル島の15倍くらいの大きさの島。時間があったのでそこでも散策をしました。
情報収集しようと、コミュニティバスで15分の観光案内所はなんとクローズ。そこからフェリー乗り場までは徒歩で1時間半ととてつもない距離。
どうにか乗せてくれる人いないかなーでもヒッチハイクなんて日本でもやったことないし、、、変な人や変な犯罪には巻き込まれたくないし、でも歩いて迷ったら最終フェリーには間に合わない、、と困ってしまいました。
コミュニティバスにもう一度乗りたかったけれど観光案内所が開いていないので情報もありません。
時速80キロで飛ばす車がたまに来る程度でいよいよ困ってつったっていると、車で通りすがった島のおばさまが声をかけて車に乗せてくれました。
『あなたなんであんなところにつっ立ってたの?』と聞かれて
「フェリー乗り場まで乗せてくれる人探していたんですが、勇気が出なくて、、」というと
『親指あげるだけじゃない!笑』と爆笑されました。いい人で良かった!
無事にフェリー乗り場までついてナナイモの日々は終了です。
ナナイモからはフェリーでバンクーバーに戻りました。
バンクーバーでの日々
カナダの首都バンクーバー。この度は主に先住民の研究で訪れたので観光という観光はしていなかったのですが、せっかく来たなら首都も見ておこうという思いで2泊しました。
バンクーバーの中心地からすこし離れたホステルに滞在しながら先住民関連のところを周ろう!とまずはUBC人類学博物館へ。
先住民に関する展示がたくさんありました。私がたどったところは先住民ゆかりの地ばかりだったので、訪れた土地の昔の写真や、先住民が暮らしていた様子を見て改めて彼らの生活に思いをはせました。
また、バンクーバーの中心地の近くにあるスタンレーパークでもお散歩。バンクーバーではたくさんの日本人がいたり、たくさんの日本料理屋さんがあったり、ほかの国のひともたくさんいて、バンクーバー島とはまた違った顔を持っていました。
とっても楽しいカナダの旅を終えて日本へ帰国。本当に一生忘れない一人旅になりました。
Fin.