活動の記録

環境教育活動の記録:2回目ワークショップの報告

ペルーで青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として2年間活動しています。

今回は環境教育の活動の2回目の整理。

5回に渡る環境教育ワークショップの構成。今回はそのうちの第2回目。

 

2回目ワークショップの内容

 

目的
  • ゴミをポイ捨てしないことを意識してもらう
  • ゴミは誰のものでどうすればいいのかを考えてもらう

対象のクラス:6年生の1クラス(12歳くらい)38人

時間設定:45分

ワークショップの流れ:

  1. 「7分の奇跡」のビデオ(3分)を見てもらう→感想を聞く
  2. 日本のごみが落ちていない道の写真を見てもらう→感想を聞く
  3. 任地の道や学校の写真を見てもらう→感想を聞く
  4. ゴミは誰のものなのか?という問いかけをする(実際にゴミをもってそれが誰のもので自分はどうしたほうがいいのか尋ねる)
  5. どうして日本の道はきれいなのだろう?という問いかけをする→日本人の多くはゴミを出したら自分自身で片づけるという意識がある。清掃員でもお母さんでもなくて「自分自身」でゴミをゴミ箱に持っていこう
  6. でも日本もゴミに関する歴史があるよ→日本のごみ処分の歴史のビデオ(5分)を見てもらう→感想を聞く→少しずつ日本も変わっていった
  7. サッカーワールドカップのごみ拾いの写真や、選手の控室の写真を見せて、「使う前よりきれいに」という考え方があったりすることを紹介する(ペルーはサッカーが好きなので話題性もあるかと)
  8. さっきの7分の奇跡の動画、本当にすごいのは清掃員だけなの?という問いかけをして、ゴミを出した人が自分自身でゴミ箱まで運べば7分で清掃をすることもできるんだよという視点を紹介する
  9. 町はきれいな方がいい?汚いほうがいい?きれいにするにはどんなことをしたい?と問いかけを行う→本当はここでパパやママに伝える!自分でゴミを拾う!ゴミ箱までもっていく!という声が聞けたらよいのだが、、

→自分で答えを言うというよりは生徒たちが頭で考えて自分の行動につなげてほしい。

そのためこうしたほうがいいね!とかこうしよう!とかは言わずに、頭を使って考えてもらうように促したい。

 

新幹線の清掃員の動画。7分で清掃するそのスキルとおもてなしの高さが評価されている。

今回この動画を教材にもちいたのは、日本のクールジャパンぶりを紹介したかったのではなく、主役の清掃員ではなく一人一人の意識があるから7分で清掃することもできるよという視点を紹介したかったから。この動画が伝えていることとはメッセージは異なるが、この動画の興味を用いてその視点を見てもらいたい。

日本が戦後どのように廃棄物処理をしてきたのかの歴史、その経験を追った動画。JICA NETで見ることができる。教材として使用するのはこの1分半から7分までの箇所。ごみを道に捨てたり、処理場がなくて道も汚かったり、川に汚水を捨てる様子、そしてそれに伴って害虫が発生して問題になった歴史が紹介されている。同時に、そのあと衛生意識が付いたりゴミ処理が徹底されて分別が進んだりでどんどん意識も変わってきたというストーリーになっている。

これを見てもらうことでひとりひとりの意識が少しずつかわって、今のきれいな道が造られていることを理解してもらいたい。

 

結果、少し苦いワークショップになりました。

 

実際のワークショップ

 

準備不足

  • 担任の不在

学校に到着して先生から言われたのが今から保護者会があるからどうしよう!ということ。少し離れた集落で私も1時間近くかけて訪問しているので別日になるのも嫌だし、かといって担任不在だといろいろ面倒なことになりかねない。

しかし保護者会は絶対なので結局一人でやることに。

  • プロジェクターの不在

パソコンの先生がいなくてプロジェクターも同時に使用できず。

プロジェクターが前はあったのでそれありきで準備してきているのでまじかーーって感じ。

結局インターネットがつなげて割かし大きめな画面のパソコンを4つ探して、それに10人ずつ座ってもらって授業をやることに。この辺からだいぶカオス臭がしてくる。

 

ワークショップには好ましくない状況

生徒は仲良しで集まって10人で動画を見る。友達と話したり、私に関係ない質問したり、収拾がつかなかった。

パワーポイントは各パソコンのクリックで進むため生徒たちに「次!」と声をかけて進めてもらうことに。

でも12歳の子たちなんて好奇心まみれだし、目の前にパワーポイントがあったら先に進めちゃう。ネタバレもいいところ。

パソコン同士の距離も遠い。各グループをぐるぐる歩き回ったけれどそれでも遠い。私が操作しないといけないところもあるので、一つを操作している間他のグループは手持ち無沙汰になって遊んじゃうし。

本当に、ワークショップにはふさわしくない状況だったなと思う。

 

感想

 

途中知らない先生が乱入してきて(自分の誕生日の)ケーキを渡されたりだとかもあったり。

一番悲しかったのは、一人がトイレ!と席を立ったらその後10人くらいがトイレで席を立ったこと。生理現象だから仕方ないにしても、前の90分クラスは一人も席を立たなかったので完全に今回の内容に問題があった。

生徒たちは悪くないけれど、この状況でできることは全部やった。その上でのこの状況だったので、悲しくもなった。

 

どんなワークショップであっても結果が良ければいいのかもしれないけれど、こんな感じのワークショップだったのでもちろん結果も好ましいものではない。

着地点とか肝になる質問とか、そういうものを響かせることで自分の行動につなげてもらいたかったのに、その大事な一言二言が全然響かない。

原因は、集中してもらえ買ったこと、ネタバレしていたり、私が各パソコンの操作をしている間に他に気が散っちゃって全然クラスの流れを捉えてもらえなかったことがあげられる。

難しすぎる。。

 

臨機応変に対応しようといろいろ取り組んだけれど、それでも力不足は否めない。スペイン語もまだまだだしね。

1人で40人を対象にワークショップをやるのも少し無理があるんじゃないかと思い始めている。

このクラスは全部で5回分受け持つ。もちろん全部違う内容で。

だから次の回までに修正して作戦を練って、生徒の貴重な時間を使っているのでどうにか少しでもためになるワークショップを行いたい。

以上、苦い経験となったワークショップでした。