ペルーで青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として2年間活動しています。
今回は環境教育の活動の1日目の整理。
5回に渡る環境教育ワークショップの構成。今回はそのうちの第一回目。
1回目のワークショップの内容
- 自分について知ってもらう
- 日本について知ってもらう
- 生徒について知る
- 紙に自分の好きなものや環境への考えを書くことで自分の考えを理解する
対象のクラス:6年生の1クラス(12歳くらい)
時間設定:90分
ワークショップの流れ:
- あいさつをする
- 自己紹介をする(5分)
- 紙を配って、紙の4分の1を使って名前を書いてもらう。書き終わったら紙を回収(10分)
- 日本についていくつかのクイズを出して数人に当てて答えてもらう(5分)
- みんなのことも知りたい!ということで紙の4分の3を使って「日本のイメージ」、「自分の好きなもの」、「環境への考え」を書いてもらう(10分)
- それぞれ自分の書いたものについて1分ずつ発表。紙と一緒に写真を撮る(50分)
- 時間が余ったらみんなの書いた日本のイメージについて実際の日本を紹介したり、日本に対しての質問に答える(10分)
上記で説明したような紙はこんな感じ。
4等分に折ってもらってそれぞれに書いてほしい情報を書いてもらった。
第一回目を上記のようにしたのは
- 今後5回クラスを持つことになったためまず自分のことを知ってもらいたい
- 今後5回クラスを持つことになって、しかも今回のクラスの生徒の卒業式には見届け人として参加するためみんなの名前や好きなものを知りたい
- 環境に対してどんなことを感じているか知りたい
- 紙に書くことで自分が環境に対してどんなことを考えているか認識してもらいたい
そんな感じで今回は設定。
そのため環境についてのことを私から教えるというよりはとりあえず自己紹介をしあう的な。でもいろいろ反省の多い授業になった。
反省点①:言語力
やはり言語力はまだまだ。
今回は実際に原稿を用意してとか一言一句スペイン語で作成して挑んだのではなく、説明する内容はある程度使う単語などを意識して調べて行ったけれど基本はその時の流れで話したり質問にこたえたりする方式。
ああ、こういう表現伝えたいのに、、と思ってもなかなか出てこなくて、説明するときの言葉も文法がめちゃくちゃで生徒も聞きづらかっただろうなと思う。
例えば、
「好きなように書いてね」
「間違っても大丈夫だよ」
「適当でいいよ」
「君はどう思う?」
そういう言葉をかけたいときに、例えば単語が見つかって文を作れたとしても細かいニュアンスが通じない。説明してもそういうやわらかさってなかなか難しいなと思った。
反省点②:生徒のレベルについての情報不足
これはしょうがないところもあると思うけれど、そっかこの辺のことは知らないのか。。と思うことがあった。
きっとみんな知っているだろうなということも生徒によっては知らなかったり、意外に小学校6年生ってそんなに知らないよなあって。
世界地図出してペルーはどこ?日本はどこ?アメリカはどこ?って聞いていったのだけど、ペルーの位置も知らなかったみたい(世界地図がペルー仕様じゃなかったのかもしれないけれど、、)
生徒のレベルを知らないと何を知らなくて何を知っているかがわからないから授業を作るのが難しい。こればかりは先生に授業をみせてもらうとかで対応するしかないのかもだけれどずっと授業に密着するわけにもいかないし難しかったなという印象。
反省点③:時間のコントロール
時間のコントロールは難しかった。
世の中の先生という先生を尊敬した。笑
先生から生徒に一方的に教えるというタイプの授業はあんまり好きじゃなくて、生徒からの主体性が活かされるような授業にしたいと思って考えている。
実際に先生はいるから、知識を教えるタイプの授業は先生がやってくれているし、私が今さら地球温暖化の環境問題について語るのも違うかなって。もっと外国人だからできるような内容をやりたいとも思うし。
でも主体性っていうのは簡単だけれど、主体性を生かした授業にすればするほど時間のコントロールはできなくなる。
今回も、生徒に1枚ずつ紙を配って自分の名前や好きなもの、環境についての考えを書いてもらったのだけれど、時間が過ぎてもみんな納得のいく絵が描けないと終わってくれない。笑
あとは、日本や世界に関するクイズで前に出てきてもらって、どれが日本だと思うか指をさしてもらおうと思ったのだけれど、適当に指さずみんなめっちゃ考えこんじゃう。どれでもいいよ~っていってもだめ。笑
生徒たちに考えてもらう構成にすればするほど、時間配分がとても難しい。45分とか90分って決まっているからもちろんその中におさめないといけないし、でも生徒のペースも守ってあげたいし。難しかった。
反省点④:授業、ワークショップそのものへの経験不足
これはあるだろうなと最初から思っていたけれどやはり回数こなすしかないのかなあ。
切り返しとか時間配分とかある程度の強引さとか、そういうものがなかなか難しかった。
スペイン語力にもかかわってくるけれど言い回しとかテンポとかそういうのも課題。
反省点⑤:間違えたくない生徒と間違えても全然いいという私
間違えていいよ!っていっても、間違えたくないから答えてくれないし、失敗したくないんだなーって。
完璧主義っていう強いワードでは表現したくないけれど、でも中途半端は嫌い、間違えたくない!という感じの子が多かった。
日本に対するイメージ書いてねという時も、私に逐一、日本にはビルはあるか、畑はあるかと聞いてくる。イメージだから何でもいいんだよー!といってもみんな私の肩についてる日本国旗を描いていた。笑(まあ国旗は私が参考資料にペルーの国旗を書いたからなんだけど)
本当かどうか知らないけれど、南米って「失敗」に対して結構厳しい風土があるらしく、失敗して何度も立ち上がろう!というよりは一度失敗するともう村八分みたいになるらしい。本当かどうかわからないけど、まあ考え方の話。だからサッカーもパス回しをして前進していく日本とは違って個で突き進んでゴール目がける。みたいな。
でももしみんな本当にそういう感じならそういう特徴も理解したうえでワークショップを作らないとなあとも思う。
失敗は失敗じゃないと思うし、わからないからダメなんてことはない。ただそれはペルー人とか日本人とか関係なく、私みたいになんでも間違っちゃえー!次うまくいけばいいじゃん!っていうタイプの人間が作っちゃうと配慮が足りなくなってしまったりするのかなって。
だから自分の性格で想像しちゃうとギャップができちゃう。もっと生徒の気持ちにならないといいやりとりなんてできないなーなんて思った。
実際の流れ
対象のクラス:6年生の1クラス(12歳くらい)
時間設定:90分→75分(生徒がそろわなくて先生も来なくて笑、開始が15分遅れた)
ワークショップの流れ:
- あいさつをする
- 自己紹介をする(5分)
- 紙を配って、紙の4分の1を使って名前を書いてもらう。書き終わったら紙を回収
(10分)→25分くらい - 日本についていくつかのクイズを出して数人に当てて答えてもらう
(5分)→15分くらい - みんなのことも知りたい!ということで紙の4分の3を使って「日本のイメージ」、「自分の好きなもの」、「環境への考え」を書いてもらう
(10分)→25分くらい それぞれ自分の書いたものについて1分ずつ発表。紙と一緒に写真を撮る(50分)発表はなくなりました。名前覚えるために写真だけ撮らせてもらった。10分くらい- 時間が余ったらみんなの書いた日本のイメージについて実際の日本を紹介したり、日本に対しての質問に答える(10分)→なし
発表はなくしたのだけれど、なくしてよかった。もしやっていたら90分どころかプラス1時間くらいかかっていたと思う。みんな意外に恥ずかしがり屋なのだ。
今後気を付けること
- もう少しスペイン語の表現のストックを作っておく(~しよう!的な表現も)
- 小学校6年生のレベルを考えてワークショップを作る
- 生徒の主体性が現れる部分は少し時間に余裕をもつ
- 間違えたくない。自分が納得したものをつくりたい。という生徒の気持ちを考えたうえでどこで区切るのかどうやって促すのかをもうすこし考えてワークショップを作る
そんな感じでやってみようかな。
今回は初めてなのに最初から90分というのは少しチャレンジングでどうなるかと少し不安なところもあったけれど、途中流れを変更したとはいえある程度思ったような流れで生徒と先生に紙も作ってもらえて、良かったなと思う。
次からは45分だし時間のコントロールもしやすい内容だから今回の反省点を踏まえてPDCAを意識して、やってみようと思います。