協力隊のその後

【青年海外協力隊員のその後】帰国後に転職活動をしてみて思うこと

転職活動してみてようやく気が付いてしまった。協力隊の経験を買ってくれる組織とそうでない組織に大きな分断があることに。。!今回はその点について①現状を紹介しつつ②整理しながら③最後にその対策をについて書きたいと思います。

 

日本社会のキャリアの固定化の現実

 

「終身雇用の社会が終わった」と世の中では言われていますが、実際のところまだまだこの社会の傾向は続いているようです。

協力隊から帰ってきて自分の経験を活かせる仕事がしたいと転職活動をしてみました。しかし、今のところその協力隊の経験を評価してくれる会社というのは世の中にすごく少ない。私の個人的な肌感覚で2:8(評価する組織:評価しない組織)くらいです。

例えば、転職回数が今までに2回しているというだけで書類が通らなかったり、前職から期間が空いているのでNGだったり、そもそも協力隊経験のことを一切聞かれないといったことからそれを感じます。

 

協力隊経験を活かしずらい社会「業界の分断」

 

①民間の事業会社で働いてきて転職回数もほとんどない人を評価してくれる業界・組織(社会貢献の分野との関連があまりない)

②グローバルな視野を持って社会貢献をしてきた人を評価してくれる業界・組織(協力隊の経験を買ってくれる組織で、大体は開発コンサルやJICA関連。あとは地域おこし協力隊や地域活性関連の仕事)

世の中にはこの2つにほぼ分断されている気がします。海外協力隊だけでなくNPOで働いていた人も含め②の人が①にいくのは何かしらの業務経験(できたら3年以上、なるべくブランクなし)が最低条件になることが多いようです。①から②に行くには高い語学力やその募集分野の専門知識(例:環境、農業、開発など)が必要になることが多いようです。

私はその両者を行き来するのは社会にとってとても有益なことだと思うけれど、それがすごく難しいことなのだということを改めて感じました。

実際協力隊経験だったりを還元するべきはそういった一般企業だとか世の中の多数の人たちであって、なるべく協力隊経験を持った人が民間の企業に入って活躍できるような社会の流れになることがすごく大切だと思います。

協力隊経験が大変有益であると認識してもらって、実際にいろんな民間企業が積極的に海外協力隊を評価するようになれば元海外協力隊員がいい働きをすることができたときもう少しそういう人材を雇ってみようっていうことになって好循環も生まれるのでしょう。(日本は転職が進まないからそうなるのにはまだまだ時間がかかりそうだけれど)

前提として私は協力隊経験者は、サバイバルの力、行動力、問題分析力、コミュニケーション能力、海外に出たために養ったグローバルな視点、そういったものにおいて高いスキルやノウハウを持っている人が多いと思っています。会社によっては入っても適応していくことは可能だしむしろ高く評価してもらえると思うのですが、そういう現状ではないのが残念です。

キャリアの流動化が進めば海外協力隊が活躍できるフィールドは広がるし、より日本の多くの方々に海外協力隊の経験や視野を伝えることができる。世界は広いんだ!ということに気づく人が増え、今の人生が生きづらくてもそれに縛られることのない視野を見つけられるかもしれない。そうすれば、世の中はもっと生きやすくなるでしょう!

 

海外協力隊個人ができる対策

 

書くまでもないかもしれないですが、仕事は選ばなければ全然あります。海外、しかも行ったことのない大地に飛び込める行動力や決断力はどこにいっても役に立つでしょう。一方で、社会貢献の業界ではなく民間企業に勤めたい!ハイクラスのキャリア転職がしたい!という方は私個人としてはこういったところが事前に出来る対策なのかなと思います。

1.海外協力隊に参加する前に専門性を付けておく(できたら3年以上)

2.若くして協力隊に参加する(25歳くらいまでなら第二新卒枠がある)

3.英語の能力をつけておく(ほかの言語ではなく、英語!!目安はTOEIC800点以上)

残念ながら協力隊任期中の経験をなかなか評価してもらえないので、協力隊参加前にある程度対策が必要になり、すでに協力隊員の方はどうしようかな…となると思います。一方で英語力だけは協力隊参加中からも対策が可能なのでもし伸ばせるなら英語力を伸ばしておくといいのかなと思います。グローバル規模に活躍していきたい企業であれば業界問わず英語力の高さは評価してもらえると思うので、そこから入って数年後やりたい職種へのキャリアチェンジを同じ会社内ですることもできる可能性が高いです。(一つの案です!)

 

転職サイトはどれを使う??

ちなみに私は今回転職サイトdudaJICA PartnerWantedlyを使用しています。

dudaは求人数も業界トップレベルで一般的な求人検索にはいいですが、JICA海外協力隊経験を買ってくれる求人が少なく、職務経歴書等もその経験をアピールしずらいです。ただキャリアアドバイザーが付くので書類の書き方を見てもらえたりいろんな求人を紹介してもらえるので、ありがたいです。

JICA Partnerは協力隊経験を評価してくれる会社が求人を出しているので書類なども通りやすいと思います。青年海外協力隊の帰国者専用で見れるページなどもあります。社会貢献のキャリアを歩みたいならやはりGOOD。

Wantedlyは国際開発業界以外でもいろんな分野の業界が集まっていますが、協力隊員の行動力やたぐいまれな経験などを評価してくれる会社が多く求人を出している感があります。

また、職種、業界に特化した求人サイトもあるのでそこから選んでみると書類等の通過率も変わってくるかもしれません。!例えば下記は私もたまに覗いているのですが、大手の求人サイトにはない変わった求人などもあるので参考までに見てみてください。

他にも「○○○(職種名) 求人サイト」などで調べると自分のやりたい仕事にあった求人サイトが出てくると思うので、それも活用してみるといいと思います!GOOD LUCK!

 

まとめ

 

この記事のまとめ

①社会には海外協力隊の経験を評価してくれる組織とそうでない組織があり、それら両者においてのキャリアの流動化は進んでいない

海外協力隊の能力値は場合によってはとても高いと思うが、それが社会の中で認知されていない。「海外協力隊の力が発揮されるフィールドの分野に限りがある」→「限られたフィールドでしか活躍できない」→「他のフィールドへその能力の認知が進んでいかない」→「海外協力隊の力が発揮されるフィールドの分野が広がらない」という悪循環になってしまう

③海外協力隊の経験や価値を世の中に伝えていく必要が社会としてある。海外協力隊個人では、専門分野のスキルを積む、英語の能力を高めるなどの対策があると吉

転職サイトによっても自分の経験のアピールの仕方、求人検索の色が異なってくるので、希望する業界や職種によって使い分けるといい